ふたりブログ

itokoとabikoの2人による対話式ブログです。東北出身の2人が 方言丸出しでサブカルチャーや世の中の事をそこはかとなく、 時にはバッサリと語り合います。ファミレスで隣の会話を こっそり聞いている感覚で楽しんで下さい。 意味不明な方言があったらコメント欄でまで!

高畑勲は実はアニメ史を変えていない? アルプスの少女ハイジのこと

こっちでアルプスの少女ハイジが再放送始まったっていったべ?
久しぶりに見る1話の感想なんだげっと、本当に関心するわげさ。端くれの端くれだげっとアニメの脚本を書く身として
見るとよげさらさ。
なにがってさ、この1話をプロットして書いたら、叔母がハイジをつれて山を登ってオンジのところに連れて行く。それだげだど。
ここでよく言われるのは、高畑勲「日常」を丹念に描くということで、アニメの歴史を変えたっていう論評な。
丁寧に描けば、子供達も大人でさえもきちんと見てくれる。って。確かにそれはそうだど思うよ。まして
スポ根性全盛の時代に、よくもあれほどの作品を作ろうとしたよな。そして作りきったよなって本当に関心してしまうでば。
でもな、そのイズムというか、志って今に生きているのか?ってちょっと疑問に思ったりもするわげよ。30分のアニメのプロットで
ハイジが山にいくだけっていうあらすじだったら、絶対にNGだど、少なくとも地上波では。
30分でこのプロットじゃもたない。もっと話しを詰め込め、もっとエピソードを入れろ、初回でこれじゃ数字が取れない。
必ず言われるでば。

おそらく、今、ゴールデンタイムでハイジをリメイクしようとしたら、町を出るまでにもっとエピソードを入れ込むべな。両親が死んだいきさつを絵で見せる回想シーンの追加。ペーターとの出会いももっとドラマチックに盛りあげるし、おんじの変人振りを徹底的に前フリしといて、実際におんじを会う瞬間でコマーシャル。笑 なんて姑息なこともするべど。笑
いや、もしかしたらおんじに会うタイミングは冒頭7~10分ぐらいで早々に出会い、オリジナルでいう2話と3話にあたるところも1話の後半でやってしまうほどのスピードでやるんでねーがな。
そこまで詰め込まないと、視聴者に飽きられる、数字が落ちるっていう判断でな。
もしかしたら、おもちゃメーカーの要望で、おもちゃ化できるアイテムとしてコンパクトどがヘアピンどがをハイジにつけねげねぐなるがもしゃねしな笑

だがら、ハイジは絶対今作ることができない作品なのや。
ってことはだど、そういう見方から考えると、高畑勲のすばらしい演出どが考え方はもちろん輝くものがあるのは確かであっても、
いま、その流れを汲む作品があるかというと、見当たらないわげさ。
となると、乱暴な見方がもしゃねげっと、アニメ史を変えたと言われつつも、その後の作品でその流れを汲むのは
高畑氏本人の作品だげで、他はその歴史を受け継いでねーんでねーが?って思うわけさ。
アニメ史に残る作品ではあるけど、アニメ史そのものは変わっていない(広義で)。
アニメ史に点在する高畑勲の作品だげが、輝いている。ってな。
ちょっとメルヘンっぽくまとめたげっとも、多かれ少なかれそんな感じしねが?
かぐや姫だってそうだべ、歴史を変えた作品ではなく、あの作品だげが輝いているわけだがらな。
歴史を変えたっていう言い方が違うのがな、だれもマネでぎないっていうがさ。
後に続いてなにかすごいものが生まれれば、それはうれしいことだげっとも、
クリエイター一人ででぎることでねーがら。出資者、放送局、演出家、制作会社、みんなして
やらねーどでぎねがらさ。まー、無理でねーがな。

Itoko