映画スーパーマン 吹替えの甘美な魅力
映画スーパーマン(1978)は、おいが生まれて初めて観にいった洋画なんだよ。行った場所は石巻の東宝な。当時スーパーマンのSのマークの入ったトレーナーを持ってやんだげっと、それを着て観にいったのや。したらば暑くてな。映画はなかなか子供の好むようなアクションシーンが出でこねーし、暑いしで途中で嫌になった覚えばっかり残ってんだげっと、その後、家にビデオがあったりして、思い入れのある作品の一つなのよ。劇場も家にあったビデオも字幕で、そればっかり見だがら吹替えの方にはそれほどの思い入れねーんだげっと、その後、日曜洋画劇場版の吹替えを見る機会があったんだげっと、これがいいんだわ。
あの映画、クラーク・ケント役のクリストファー・リーブがはまり役なのは置いておいて、脇役がかなり豪華な映画でもあんのよ。マーロン・ブランド、ジャッキー・クーパー、ジーン・ハックマン、ネッド・ビーティなど等。
特においはスーパーマンの影響だど思うんだげっとジーン・ハックマンが好きでな、家にジーン・ハックマンのポスターなんか貼ってや子供だったんだわ。笑
で、その吹替えなんだげっと、その脇役のキャスティングに負けないくらい、声優のキャスティングが豪華なのさ。スーパーマンの佐々木功はもとより、マーロン・ブランドに大平透。ここに大平透をキャスティングしてるのは、ドラマ版スーパーマンで初代ケント役をやったのが大平透だっていうので、映画ではケントの父親を大平透がやるっていう、オマージュ的なキャスティングが憎いんだわ。そして、脇を固めるのが、ジャッキー・クーパーの近石真介さん。最近だどはじめてのおつかいの人ってことでお馴染みだど思うんだげっと、この人の温かさと軽妙さと、レトロさを併せ持った声は大好きでさ(でも、はじめてのおつかいは見た事がない)、それがコメディアンであるジャッキー・クーパーにぴったりなんだわ。
それだげでねーのや、この吹替えでの白眉が悪役3人組。その中の頭の切れるボスがジーン・ハックマンの小池朝雄。言わずとしれたコロンボな。で、頭のねじの緩んだボケの手下がネッド・ビーティ、神山卓三。おいたち世代だどオオカミ男な。このすっとぼけ感ったらねーわ。さらに紅一点の悪女が小原乃梨子なんだよ。細長いパイプの先に紙巻タバコとねじ入れて吸ってるようなキャラで、まさにドロンジョ的なワルを好演してんだわ。
コロンボ、オオカミ男、ドロンジョが絡み合う悪役三人のやり取りは、見ていて顔がニンマリしてしまうほど「いいもの見たなぁ~」って幸せになれるど。少なくともおいはなるな。もうたまんないでば。スーパーマン日曜洋画劇場版は、吹替え醍醐味をしっかり味わわせてくれるよ。しかもそれがスーパーマンがらみでねーっていうのがおもしーっちゃな。
よければ、映画全部でねくていいがら、ジーン・ハックマンがらみの場面だげでも観て欲しいよ。
ちなみにスーパーマンⅡの時に既に小池朝雄は亡くなってしまったがら、悪役3組、吹替え夢の競演は「Ⅰ」のみで終わってしまったんだげっと、ここでも小池朝雄の代わを勤めたのが石田太郎なんだよな。これまた憎いキャスティングだどな。
ってことで、この吹替え版がスターチャンネルで今月放送中だ。よければ観でみらいん。
Itoko