ふたりブログ

itokoとabikoの2人による対話式ブログです。東北出身の2人が 方言丸出しでサブカルチャーや世の中の事をそこはかとなく、 時にはバッサリと語り合います。ファミレスで隣の会話を こっそり聞いている感覚で楽しんで下さい。 意味不明な方言があったらコメント欄でまで!

暗殺教室の話

暗殺教室」って知ってっか?
この間「花とアリス殺人事件」を観に行った時に、予告で上映してたのよ。おめがとても興味持ちそうもない映画だがら、あらすじ語らせてもらうげど、もし少しでも興味あって、あらすじさえもネタバレされたくないなら、これ以上読むなよ。
 
簡単なあらすじを言えば、ふざけたタコの宇宙人みでなモンスターがある日高校がなんかの先生として赴任してくんのや。でもその先生は月を破壊して三日月にしてしまうほどの恐ろしい宇宙人で、地球もそうするつもりらしいのよ。
でも、理由はわがんねーげど猶予ってものがあって、その期間内に生徒達が先生を暗殺しろって、先生自らがいうのや。先生はマッハ20だがのスピードで動き回れるから、ピストルの弾を当てるのさえも難しくて、生徒達はどうにかして先生を暗殺しようと頑張るって話。
ま、ギャグマンガだな。
後で知ったんだげど、やっぱりジャンプ?がなんかに連載してる人気漫画らしいのよ。全く知らなかったげども(笑)
 
それが最近アニメ化されで、たまたま見る機会があったがら、試し見してみたのさな。
 
先生があまりにも超人すぎて、いぐら殺そうとしても絶対に殺せないのは面白おかしく描かれてるのよ。なんでもない普通の高校生が、ある日急にアサシンになって、あの手この手で作戦を練るっていう状況もふざけたギャグとして描かれてるし、それだけの恐ろしい宇宙人は、授業はちゃんとする優しい先生で、そのギャップも笑える様に作ってあるんだわ。
先生の行動に感動する生徒もいるんだげど、「いつか先生を殺せる様にがんばんないと!!」みでな、青春の台詞の様に言ってるげど内容が怖いっていうギャグもふんだんに使われてるのな。
 
このアニメを見た限りで言えば、その変な状況での先生と生徒のやりとり、そして結末はどんな感じになるのかは興味を惹く、ま、舞台劇の様な感じの面白さはあるのはわがったのよ。「ふざけてるーーーっ」って笑いな。
 
ただその「世間が面白いって思う場所」はなんとなく理解はしたんだげどさ。
ちょっと思うのよ。
先生を殺すっていうギャグについて、ちょっと安易なアイディアすぎねーがなと。
 
それはもう子供に悪影響だとかそういう疑問以前の問題。
漫画家と編集者の浅はかで安易な作戦に辟易してしまうのよ。
そのアイディアを今の時代にこのタイミングで発表する意味がまずわがんねーわ。
そこに描くべきテーマがある様な気がしねぇのよな。あるのはウケ狙いっていう安易な考えしかない気がする。
子供らには人気なんだろうし、映画化、アニメ化になってんだがら、その目論みは当たったと言えるんだげど、そんなんでいいのがいやって疑問に思うな。
 
ここで心配になるのは、この作者が暗殺をギャグにしてるって事。
殺人は悪い事って散々教えられてきた常識があるべ?
作者はその常識を覆して、なんとかして殺したいって考える生徒の面白さをテーマにしてる訳だよな。つまり、殺す楽しさがテーマだとも言える。どんな工夫したら殺せるかっていうのが、少なくともこの物語の出だしの興味だからな。
連載始まった時がいつなのかは知らないげど、あらゆる事件で殺す事に対しての常識がただでさえ覆りそうな、この時代に「今、世に出すべき作品」としてこれを開始したそのものが異常だわ。
しかも、勧善懲悪的な解りやすいテーマでもねーのも問題だと思った。
このタコ先生(ころせんせいっていう名前らしい)は地球を破滅すると脅してるし、月をも破壊したげど、先生という職業的に言えばいい奴なのよ。これもギャグのつもりで描いてるのはわがってるげど、真面目に捉えたらその意図はわがんなすぎだよな。
いい人でも、悪い面があるなら殺していいんじゃね?とでも言いたいのがな?作者の意図がそごでも解らないのや。
きっと「それがギャグだから」っていう、まさかの馬鹿みでな台詞が出てきそうでおっかねーな。そんなノリだしな。
読者にも必ず「少年漫画」に真面目に議論するなって奴はいると思うげど、その人は常識がなんなのかある程度知ってるがら言える訳であって、全ての人間が常識が確立してる訳ではねーって事が問題なのさ。その人達に示すべき「笑い」だと、本気で考えだんだいが。
 
 
要するにさ、話をまとめると、楽しければ何を描いてもいいっていう、超安易な考えの作家と編集者に見えるのよ。事実、ビジネスとして成功する事だけで言えば、なかなか腕のある人だなって思うげど、志は相当低いって事。
この間話題になった、視聴率とる事しか考えてない人達がとる行動そのものだよ。
 
ジャンプの読者は「少年」だべ。
幅広く大人まで見てる雑誌とはいえ、読者に少年がいる限り、これを描く必要性が感じられないな。多くの子供はそんなに馬鹿でねーがら、これはギャグマンガとして楽しんでるだけだと思うげど、だがらって大人がそいづらに示していい内容とは言えないと思うのや。
刺激があればある程子供が夢中になるからって、暗殺をおもしろおかしく描こうとする作者と、それをプッシュする編集者、そして金になればいいって思って映画やアニメを作る奴らが、実に滑稽に見えるわ。
何を少年に訴えようとしてんだい。何で笑わせようとしてんだい。
「いつか先生を殺したい」「殺せる様にがんばります」「どうやったら殺せるんだろう」そんな台詞を繰り返し聞かせるって事の意味を本当に理解してる人達が制作してんのがいや。
せめてその方法が正しいのかどうかを見極めるぐれの気持ちがねーど、優れた作品にはなり得ないと自分は思ってしまうな。
 
この制作者達が作中で、少年漫画にはふさわしくないと思って、柔らかくした部分なんだげど、先生を殺すのはゴムの様なナイフと、BB弾の様な玉で、人間には無害っていう設定つけが。この程度の配慮しか出来ないっつーのがもうギャグだよな。それ以前に配慮すべき事があるとは思ってねーんだべな。
 
abiko