ふたりブログ

itokoとabikoの2人による対話式ブログです。東北出身の2人が 方言丸出しでサブカルチャーや世の中の事をそこはかとなく、 時にはバッサリと語り合います。ファミレスで隣の会話を こっそり聞いている感覚で楽しんで下さい。 意味不明な方言があったらコメント欄でまで!

23年ぶりに美女と野獣を見る。誉れ高い名作か?

こないだ、BSで美女と野獣をやってやのよ。公開以来、全く観でねがったがら、久しぶりに鑑賞することにしたわけ。で、その感想なんだげっとも、その前にまず、当時のディズニーに対するおいの記憶から。美女と野獣公開からさかのぼること数年前の事、ディズニー映画って言ったら本当に人気がなくて低迷してやんだわ。そこに登場したのがリトル・マーメイドさな。アラン・メンケンのノリの良い音楽に乗るかのように作品はヒット。まさに起死回生だったのさ。

そっからが、ネオクラシックと呼ばれる今のディズニーのイメージを決定付けたヒット作が連発されでいぐのさ。その一連の作品がアラジンであり、ライオンキングであり、美女と野獣。どれも主題歌が口ずさめるぐらい歌と共に作品がヒットしたよな。特に美女と野獣は当時アカデミー作品賞にノミネートっていう快挙も成し遂げだし、CGを本格的に導入した作品でもあって、大ヒット。いまだにファンも多いし、ディズニーランドでも何かとモチーフにされでるよな。

そんな誉れ高い美女と野獣を、こないだ久々に2度目となる視聴をしてみでなんだげっと、作品の出来と評価との差に困惑したな。

まず映画のオープニングでなんで王子様が野獣になったかが説明されるんだげっと、ある老婆が一夜の宿を王子に求めるのさ。でも、王子はそれを断るのさ。したらば、その老婆は実は魔女。老婆の頼みを聞かない不届き者として魔法をかけて野獣にしちゃいました。っていう事なのよ。しかも、そのお城とお城の住民すべてに魔法をかけでしまうの。これってまずどうなのや?その老婆の身勝手さったらねーべ。いぎなり人の家さ行って泊めでけろって言って、断わらいだがらって逆恨みして野獣にするなんて、酷すぎるべ。しかも城全体につけ。さらにさらにタイムリミット付きでそれが過ぎたら元にも戻らないつけ。酷いったらねーよ。百歩、いや千歩ゆずってその老婆が本当に具合の悪い困ってる人ならいいげっと、本当は魔女って・・・。だったら泊めでもらえねくてもなんとかなるべやな。っていうが、老婆になって泊めてけろって言ったってことは、騙す気満々だったって事だべやな。その理不尽さったらねーわ。でも、まぁでも、そこは元が童話だがらっていうので目をつぶっぺ。桃太郎が桃から生まれたのに対して疑問を持たないのと一緒で(本当はちょっと違うげっとも、まあ目をつぶるよ)。

で、アニメ本編となる最初の場面。王女となるベルがあるっている場面なんだげっと、そこはマルチプレーンによる多重スクロールがすばらしくて、ピノキオの冒頭を思わせるよさだったのさ。そこで「さっきまでのは揚げ足取りだったがな」って思えるほど、良かったのよ。この調子で美女と野獣は物語をみせてけるんだな。って。それほど冒頭はよかったんだげっと、結果、良かったのはそこだげだったな。当時話題になったCGを使った舞踏会の場面は今ではチープなしょうもないCGだったし、たぶんデジタルペイントも導入したんだど思うんだげっと、デジタル特有のギラッギラした発色とどぎつさな。ちびまる子ちゃんでも見てるかのような安っぽい感じはつらかったでば。導入が早すぎたとしかいいようがねーよ。作画も崩壊してて、キャラクターの顔どが表情に統一感がねーしな。

それより古いリトルマーメイドは、今見てもそこまでの古臭さはねーのよ。あれは背景もキャラクターも職人がきっちり描いているからこそなんだよ(中身のチープさは別な)。やはりデジタル化をいそいだ感がいなめず、作品は古びてしまって、結局、当時もてはやされた流行映画っていう印象。80年代のジャンプの漫画見直してるようなもんだったよ。

話も、ベルのわがままばかりが目立って全然共感でぎねの。だって、まず、ベルの父ちゃんが野獣の住んでる城に勝手に入ることが発端なのさ。それで野獣は怒って閉じ込めるんだげっと、そこに父を探しにきたベルが身代わりなるってことで父を解放するんだわ。だがらベルはいわば、住居侵入の罪で懲役をくらってるようなもんなさ。でも、さすがに独房はねーべってことで城の中では比較的自由に動けるっていう状態ってだげなのに、贖罪の意識のかけらもなく勝手放題。行ってダメだって場所にいって野獣と遭遇して大騒ぎしたりな、野獣はみてくれこそ悪くても、ルール違反してるのはベルの方なのや。しまいには父が病気だがらここから出せってわめいて、馬を勝手に使って出て行くしな。

出てったら出てったで、村の人に野獣の存在をほのめかしたおかげで、村中総出で野獣狩りが起こって、野獣の命は狙われる羽目になるしや。最低だど。あの女。

よくもあの女と相思相愛になったど思ってや。帳尻あわせにキスしてめでたしめでたしってなっただげのようにしか映らなかったな。おいの目には。無理矢理盛り上げるために作ったであろうタイムリミットの設定もやらしがったし。

要は登場人物の気持ちの動きが描けてねーのさな。だがらあらがめだってしゃーねーのよ。なんぼ子供相手だがらって、おとぎ話だがらって、あんな子供だましをしたらだめだでば。よぐもアカデミー作品賞にノミネートされだでば。

たぶん、これを読んでいる人のほとんどが、美女と野獣って改めてきちんと見でねーんでねーがなって予想するよ。そして、観てないのにもかかわらず、ディズニーの名作の一つとして認識してる気がしてならない。これってひとえに、ディズニーとディズニーランドのイメージ戦略の勝利だど思うんだよ。23年前の作品なのにいまだに知名度は高くてキャラクター人気もある。グッズも売れてる。これって作品以外の部分でのイメージ戦略によるものだどおもうんだわ。

同じ年の映画を調べると、ドラビアンナイト、大林のふたり、波の数だけ抱きしめて、といった頃の映画だど?この頃の映画のグッズを未だに売る商魂ったらねーわ。

しかも作品が素晴らしいならまだしも、おいに言わせればとっくに賞味期限の切れた古臭い映画なんだものや。それに気づかせずに「延命処置」を続けてそれに成功してるっていうのには、さすがだとしかいいようがねーわ。

いやいや、美女と野獣。ちっともすごくねー映画だわ。

 

Itoko